絹織物「羽二重」が名前の由来

福井県を代表する銘菓である羽二重餅。その名前の由来は、福井県が誇る伝統的な絹織物「羽二重」にあります。羽二重は、軽く、柔らかな肌触りと上品な光沢が特徴で、高級織物の代名詞として広く知られてきました。そのしなやかで美しい光沢は、羽二重餅にもそのまま反映されています。

このことから、羽二重餅は「絹織物のように滑らかで上品な餅」として、福井県民に愛されてきたのです。

誕生の歴史と諸説

羽二重餅は、その羽二重のなめらかさを表現した、福井県発祥の餅菓子です。誕生したのは明治時代から大正時代にかけてと言われています。いくつか説があるものの、当時、全国的に流通していた羽二重を目にする機会が少なかった福井県民のために、と考案されたという説が有力です。羽二重餅は、その上品な見た目と味わいから、古くから多くの人に愛されてきました。

福井県民にとって身近な餅菓子

誕生から100年以上経った現在でも、羽二重餅は福井県民にとって非常に身近なお菓子です。冠婚葬祭の引出物や贈答用として、また、日常のお茶菓子としても親しまれています。お茶請けや、ちょっとした手土産としても喜ばれる、まさに福井県を代表する銘菓と言えるでしょう。

羽二重餅の特徴

羽二重餅はその名の通り、福井県が誇る絹織物「羽二重」の滑らかな質感を表現したお菓子です。ここでは、羽二重餅の特徴である、その食感や味わい、材料、形について詳しく解説していきます。

口触りなめらか、とろけるような食感

口に入れた瞬間、とろけるように滑らかで、柔らかく、もちもちとした食感が特徴です。

シンプルながらも奥深い味わい

主な材料は餅米・水飴・砂糖と、いたってシンプル。そのため、素材本来の優しい甘さを存分に楽しむことができます。

主な材料は餅米・水飴・砂糖

主な材料は餅米・水飴・砂糖です。これらの材料を、職人が丁寧に練り上げて、独自の味わいを生み出しています。

形は「羽二重」をイメージした短冊形

羽二重織物をイメージした、薄く平たい短冊形をしています。

シンプルながらも奥深い味わいが魅力の羽二重餅。それぞれの要素が合わさり、上品で優雅なひとくちを織りなします。

鮮度が命の羽二重餅

福井県の銘菓、羽二重餅の特徴の一つに、その「鮮度」が挙げられます。羽二重餅は、製造から日が経つにつれて柔らかな食感が変化するため、できるだけ早く食べることで、その滑らかでとろけるような食感を最大限に楽しめます。
特に新鮮なものは、口に入れた瞬間に舌の上でやさしく溶け、素材の上品な甘みが引き立ちます。そのため、購入後は開封してすぐに味わうことをおすすめします。また、保存環境にも気を配る必要があり、直射日光を避け、涼しい場所で保管することで品質を保つことができます。鮮度が求められる繊細な菓子であることも、羽二重餅の魅力の一つなのです。

厳選された材料と工程

主な材料は、餅米から作られる「餅粉」、砂糖、水飴の３つです。店ごとに材料の配合や製法にこだわりがあり、それが独自の味わいとして表現されています。

例えば、餅米の種類や産地、水飴の種類、砂糖の配合など、お店によってこだわりが違います。また、練り上げる時間や温度、成形方法なども、それぞれの職人の技が光るポイントです。

特に、餅を練り上げる工程は、職人の経験と勘が試される重要な工程です。餅の温度や練り時間、力加減などを微妙に調整することで、口溶けの良さや弾力など、羽二重餅の食感や風味が大きく変わってきます。

蒸して、搗き上げる伝統的な製法

ここでは、代表的な羽二重餅の製法を工程ごとに見ていきましょう。

生地づくり

まずは、サラサラとした国産もち粉と水を混ぜ合わせます。その後、100℃の蒸気で一気に蒸し上げます。

練り上げ

蒸し上がった餅を専用の混合機へ投入し、水あめ、砂糖、水を加え、弱火で熱しながら1時間練ります。火を止めてさらに1時間、じっくり練り上げます。

成形

練り上がった羽二重餅を、生地がくっつかないよう片栗粉をまぶしたレーンの上で成形します。商品によっては、餡を包んだり、機械でカットしたりする。

梱包

すべての商品は、最後に機械を使ってフィルムで密封します。

このように、羽二重餅は、シンプルな材料と伝統的な製法によって作られています。最近では、機械化が進んでいる工程もあるものの、職人の手仕事によって支えられている部分も多いです。

まずはそのまま味わう

まずはシンプルに、そのまま味わってみましょう。口に入れた瞬間、とろけるような食感が楽しめます。口の中に含むと、上品な甘みと、米本来の風味が広がります。

冷やして、食感の変化を楽しむ

冷蔵庫で冷やすと、ひんやりとした口当たりと、より一層もちもちとした食感が楽しめます。

アレンジレシピに挑戦

そのままの味わいを楽しんだ後は、アレンジレシピも試してみましょう。

トースターで軽く焼く

表面を軽く焼くと、香ばしさが加わり、また違った風味を楽しむことができます。

きな粉やあんこを添えて

きな粉やあんこの甘みと、羽二重餅の風味が絶妙にマッチします。

アイスクリームに添えて

アイスクリームに添えると、餅の食感と冷たいアイスクリームのハーモニーが楽しめます。

上記以外にも、自分なりのアレンジを加えてみるのもおすすめです。例えば、フルーツと一緒に盛り付けたり、抹茶パウダーをかけたりと、アイデア次第で楽しみ方は無限に広がります。ぜひ、色々な食べ方を試して、お気に入りのスタイルを見つけてみてください。

羽二重サブレ

福井名産の羽二重餅とホワイトチョコをサンドした「羽二重サブレ」は、サクサクとした食感のサブレが特徴です。ひと口で、サブレの軽やかさと羽二重餅のもちもち感、そしてホワイトチョコの優しい甘さが口の中で溶け合います。まろやかな甘さととろけるような口当たりは、内祝いなどの贈り物としても喜ばれています。

暑い日は冷蔵庫で30分ほど冷やすと、より一層おいしさが引き立ちます。特別なひとときやギフトにぴったりのスイーツです。

購入場所について

羽二重餅は、スーパーやコンビニエンスストアなど、様々な場所で手軽に購入できます。

お土産屋の店舗での購入

デパートや駅などのお土産売り場には、有名なお店の羽二重餅が数多く並んでいます。個包装になっているものが多く、お土産として配りやすいです。

オンラインショップの活用

遠方の方へのお土産に便利です。まとめ買いにもおすすめです。

また、近年ではオンライン限定のフレーバーやパッケージなども販売されているので、ぜひチェックしてみてください。

羽二重餅は、日持ちが短いものが多いため、購入する際には消費期限に注意が必要です。ぜひ、お土産や自分へのご褒美に、福井が誇る銘菓「羽二重餅」を味わってみてください。